劇場版Gのレコンギスタ

「Gのレコンギスタ」は富野由悠季総監督によるガンダムシリーズで、2014年に全26話が放送されました。 その後、テレビシリーズをベースにした劇場版が全5部構成で製作されることが発表。2019年より順次公開されています。

「Gレコ」は作品の性質上、作中で世界設定やキャラクター詳細について触れることがあまりありません。 劇場版ではかなり分かりやすくなっているものの、油断していると物語が分からなくなる……ということもありえます。

この記事では劇場版をベースに、作中のストーリーや設定を解説していこうかと思います。 今回はまず基本的な世界設定についてを紹介。第1部を見る前にご一読いただいてもいいかと。

※解説にあたり多少のネタバレを含みます

リギルド・センチュリー

「Gレコ」の舞台は「リギルド・センチュリー(R.C.)1014年」と呼ばれています。

R.C.は、公式サイトの説明によると『宇宙世紀の歴史を持つ~~』という記載があります。 また、宇宙世紀の説明は『宇宙世紀(U.C.)は"一年戦争"をはじめ、~~』と記載が。

つまり『機動戦士ガンダム』等々でおなじみの宇宙世紀と同じ世界が舞台ということが分かります。 いわゆる「アナザー」ではなく、宇宙世紀と明確に繋がりがあるようです。

R.C.とU.C.が連続しているのかは不明ですので、アムロ・レイなどが活躍した時代からどれだけ経過しているのかは分かりません。 一応ちらっと話に挙がりはするものの、「Gレコ」本編でもその辺りはあまり関係ないので、気にする必要もないかと思います。

ただ、「∀ガンダム」との関連性(前後関係)については、サンライズ公式と冨野監督の意見が違っていたりと、複雑な模様。 この辺りはとりあえず考えないでおくのが良いように思えます。

時代背景

R.C.では過去について、「宇宙世紀に発生した大規模戦争において人類は絶滅の危機に瀕し、辛うじて生き延びることができた」という説明があります。

この宇宙世紀の悲劇を繰り返さないよう、「Gレコ」作中では「技術発達の禁止」などのタブーが定められています。

また、作中では「クンタラ」と呼ばれる人々が序盤から登場します。これはいわゆる大昔からの差別用語で、今でも階級のような形で残っています。

4つの国

「Gレコ」ではいくつかの勢力が登場します。初見だと少し分かりにくいかもしれませんので、まずはそれらを整理してみます。

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それぞれ、南アメリカ大陸の「キャピタル・テリトリィ」、北アメリカ大陸の「アメリア」、欧州の「ゴンドワン」となります。 また、宇宙には「トワサンガ」と呼ばれるコロニー群があり、後述のフォトン・バッテリーをキャピタル・タワー経由で地球に運んでいます。

キャピタル・テリトリィ

物語の中心となるのは、「キャピタル・テリトリィ」。主人公であるベルリ・ゼナムの出身地であり、「キャピタル・タワー」と呼ばれる軌道エレベーターを保有。

R.C.では「フォトン・バッテリー」というエネルギー源が世の中すべての動力として利用されています。 フォトン・バッテリーは地球上で製造できず、宇宙からキャピタル・タワー経由で地球にもたらされるため、フォトン・バッテリーの授受・管理をしているキャピタル・テリトリィが他国に対し非常に強い権力を持っています。

それゆえに、テリトリィはタワー(フォトン・バッテリー)を守るため「ガード」や「アーミィ」を組織していますし、エネルギー面では被管理国であるアメリアはテリトリィを強襲することになります。

また、テリトリィでは「スコード教」という宗教が浸透しています。スコード教では宇宙世紀における戦争の原因となった技術発達を禁じており、それを守らない他国家とも敵対する形になります。

作中の登場人物、特にテリトリィの人々はこのタブーを遵守していますが、一方で平気で破る輩たちもいる模様。

アメリアとゴンドワン

テリトリィの北に位置する大陸には、「アメリア」と呼ばれる国家があります。物語序盤で敵対しているのはこの国。 テリトリィとは、フォトン・バッテリーの配給管理方やスコード教の禁忌などを原因に関係性はよろしくない模様。

また、アメリアの東方にある「ゴンドワン」とは大陸間戦争を続けています。テリトリィとゴンドワンは協力関係にあるため、テリトリィ・アメリア間は実質敵対関係となっています。

トワサンガ

月面近くのコロニー群であり、地球へフォトン・バッテリーをもたらしている国家。

物語序盤ではあまり深く関わることはないので、大まかな世界設定とともに名前を覚えておく程度でよいかと思います。

それぞれの部隊

キャピタル・ガードとキャピタル・アーミィ

キャピタルタワーを保有するテリトリィには、タワーの防衛や保守点検を実施する「キャピタル・ガード」が組織されています。 主人公であるベルリは、キャピタル・ガード養成学校の候補生です

一方で、アメリア・ゴンドワンの脅威を鑑みて、新たに組織されたのが「キャピタル・アーミィ」。 あくまで他国からの攻撃に対する防衛のため組織されたとされますが、設立目的や行動には胡散臭い点もある模様。

アメリア軍と海賊部隊

アメリア軍はゴンドワン軍と大陸間戦争をしていますが、それとは別にテリトリィにも攻撃を仕掛けています。

その目的はテリトリィが独占しているフォトン・バッテリーの強奪であり、襲撃はアメリア軍ではない「海賊部隊」が実行。 しかし、実質的に海賊部隊はアメリア軍の独立部隊ですので、アメリア側の言い訳に過ぎないのでしょう。

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このようにGレコの前半では、フォトン・バッテリーをめぐるテリトリィとアメリアの動乱がメインで描かれることとなります。

まとめ

Gレコの世界を楽しむにあたり、必要な前提知識を記載してみました。 基本的には作中でそれとなく紹介されるのですが、中々に難しい部分もありますので、参考にいただければと思います。