発売から25年以上――今も残る『夕闇通り探検隊』の舞台を歩く

夕闇通り探検隊とは

『夕闇通り探検隊』は1999年に発売されたホラーアドベンチャーゲームです。 『トワイライトシンドローム』の系譜に連なる本作は、呪いに巻き込まれた中学生男女3人が街中を探索し、さまざまな怪異に立ち向かいます。 その過程で描かれるのは、心霊的怪異とともに発生するジュブナイル・ドラマ。 少年少女たちの自己確立と、現実との対面。これらの描写がまた素晴らしく、単なるホラーゲームとしてだけではないテイストがたまらない名作。

移植がされていないこともあり、残念ながら現在ではプレミア価格となってしまっています。今からでも移植、難しいですかね……。

舞台は日野市

さて、作中で主人公たちが歩き回る「陽見市」は、概ね現実の日野市をベースにしています。 作中に登場するスポットや街並みは当時の日野市が多くの元ネタとなっており、実際に現地を回るファンも多かったそうです。

しかし発売から25年以上が経過し、街並みも当然移り変わっています。今回、日野市に行く機会がありましたので、散歩がてらいくつかのスポットを周ることにしました。

※この記事の撮影は2025年5月です。

日野駅~大階段

日野駅周辺

さすがに当時とは外観が変わっていますが、おおよその構造は同じようです。

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作中では結構な頻度で駅前を通るので、なんとなく見覚えのある感じ。

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ガード下はまた別の場所がモデルのようで、ゲーム内よりも実際は短いかと思います。霊障ポイントは増えたかも。

大階段

本作のスポットの中でもかなり印象的な「大階段」。この場所は当時とあまり景色も変わらず。

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ゲーム中で行っていたパノラマビューを現実で体感できる、というのも不思議な感じです。

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高架下の公園

大階段から南下し、高速道路の下にある小さな公園。利用禁止になっていましたが、遊具は残っているようでした。

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作中では結構哀愁漂うスポットだった気がしますが、実際は住宅地の中にあり穏やかな雰囲気でした。

矢頭橋

さらに南下し、実践女子学園と日野第七小学校あたりにある矢頭橋へ。女子大は作中でも登場していますね。

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橋の上から日野駅を眺めると、なんとなくゲーム中で見覚えのある風景が。

宝泉禅寺~多摩川

お散歩も半分を終え、日野駅に戻ってました。ここからは多摩川まで北上していきます。

宝泉禅寺

駅の東側に位置する宝泉禅寺。ゲーム中では霊障ポイントを下げるためにお世話になったかと思います。

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入口外観の見た目はそのまま。内部はまた別のお寺がモデルになっているのだとか。

カーブミラー

オープニングで印象深いカーブミラー。同じ位置にまだ設置されています。

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この辺りはかなり整備されたようで、オープニングでの裏路地感はかなり無くなり、閑静な住宅街となっていました。これはこれで時代の流れを感じさせる哀愁があります。

多摩川

ゆったりと流れる河と、時折響く電車の音。日常的な風景ですが、本作のエンディングの舞台でもあります。

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ラストシーンで告げられたサンゴの想い。決してハッピーエンドではない本作において、あれこそがドラマの着地点なのでしょう。

まとめ

本作には多くのスポットが登場しており、今回行くことができたのは極々一部。それでも「夕闇通り探検隊」で感じることができたリアルさを追体験することができました。

現実の街を舞台にした作品は、時の流れとともに景観が変わり、当時の雰囲気は少しずつ失われていきます。 特に『夕闇通り探検隊』や『トワイライトシンドローム』のようにその時代の空気感を強く反映した作品では、変化をより鮮明に感じ取れるのかもしれません。

また機会を見て、他のスポットも探訪してみようかと思います。